通信制高校ってなに?意外と知らない役割を解説!

通信制高校の役割についてご存知の方はいますか?
「どんな高校なの?」「他の高校とは何が違うの?」と気になる方も多いですよね。
通信制高校について、詳しく理解できている方は少ないです。
通信制高校の役割をしっかりと理解していないと、偏見や自分にあった高校選びをすることができなくなってしまいます。
ここからは通信制高校と他の高校との違い、メリットデメリットも踏まえて詳しく説明していくので確認しましょう。
通信制高校は毎日登校しなくても卒業できる!
通信制高校の1番の特徴は、毎日学校に行かなくても卒業ができるという点です。
だからといって勉強をする必要がないということではありません。
勉強する場所を、学校ではなく自宅に変えるというとイメージがしやすいです。
また、通信制高校には様々な人が通っているという特徴もあります。
不登校で悩んでいた人、すでに働いている人、学業不振で勉強に追いつけなくなってしまった人など、様々な事情があります。
他にも、通信制高校は自由な時間が多いため、芸能活動やアスリート活動と両立するために通信制高校を選択するという人もいます。
通信制高校と全日制、定時制高校との違い
高等学校には通信制高校のほかにも、定時制と全日制の2種類があります。
高校はどこも同じと思っている方もいるかもしれませんが、実は同じ高校でもそれぞれ大きな違いがあるのです!
それぞれ特徴を解説していきます!
在籍期間の違い
通信制高校は単位制を採用している事は皆さんご存知ですか?
3年間の在籍期間が必要という点は全日制、定時制と同様です。
しかし、通信制には在籍期間の上限というものが定められていません。
全日制高校の場合は6年間、定時制高校の場合は8年間という上限があり、それ以上長く在籍できません。
そのため、何かの事情で休学する場合にはこの一定の期間を超えてしまうと卒業ができなくなってしまいます。
通信制は何年かかっても必要な74単位さえ取得できれば卒業ができます。
入学・卒業時期が2期制
全日制、定時制の高校では4月入学、3月卒業が一般的です。
しかし、通信制高校では4月入学だけではなく10月入学も行っている学校が多くあります。
更に学校によっては通年入学を行っているところもあり、入学時期が多様なため卒業時期も3月と決まっているわけではなく、個人によってばらつきがあるのです。
全日制の場合
朝から夕方まで1日通う高校で、最もオーソドックスなものです。
毎日3年間通って卒業するため、多くの時間を友達と過ごせるというメリットがあります。
全日制高校にも、少人数授業を実施したり二人担任制などを設けていたりと不登校だった生徒のサポートを積極的に行っている高校もあります。
定時制の場合
一般的には夕方から夜間にかけて授業を行いますが、午前、午後、夜間と3部制をとっている高校もあります。
定時制には、学年生と単位制の2種類があります。
学年生では決められた時間で4年間通学して卒業できます。
単位制では必要な単位さえ取ることができれば卒業ができるため、3年間で卒業できる人もいます。
通信制の勉強方法
他の高校との違いは分かっても、勉強方法がわからないと入学から卒業までの過程が想像つきませんよね。
通信制高校はひとりひとりに合った学習スタイルを選ぶことができるので、勉強方法も様々です。
それでは詳しく解説していきます!
通信制の勉強方法①学年制
全日制や定時制の高校では、一般的に、1年ごとに与えられた科目を学習して単位を取得し、すべての単位を取得しないと進級できない学年制が導入されています。
全日制高校の単位システムでは単位を一つでもおとしてしまうと留年になり、その1年の教科をすべてやり直さなくてはいけません。
全日制高校のシステムにより、勉強についていけない人や、通うのが難しいという人は通信制に編入するケースが多くあります。
通信制の勉強方法②単位制
単位制ではそれぞれの科目についての評価を単位としてもらえます。
単位を取得するためにはいくつかの過程が必要です。
単位制では74単位以上を取得すれば卒業できるため、取得できなかった単位は次の学年に持ち越すことができます。そのため留年という概念がありません。
更に、特別活動の単位が30単位以上必要です。
特別活動とは、ホームルーム活動や生徒会活動、文化祭や宿泊行事などの学校行事を指します。
特別活動の内容は学校によって様々なものがあり、多くの通信制高校では、前籍校で取得した単位を引き継いで卒業単位として換算できるのです。
前籍校に9月まで在籍し、通信制高校に10月から転入した場合にもそれまでに取得した単位数を除いた必要単位数を取得することで3月に卒業することが可能となります。
レポート
テキストのほかにeランニングなどの副教材で学習し、定期的にレポートを提出します。
提出方法は、紙のレポートを郵送したり、ネットで授業を受けてネットでレポートを提出したりと提出方法は様々です。
スクーリング
スクーリングとは、面接指導のことです。
一般的な通信制高校では年20日程度登校して直接先生から指導を受けます。
自宅学習でわからなかったところを質問できたり、ほかの生徒と会えたりと勉強ができるだけではなく友人関係を広げることができます。
単位認定試験
学校が定めた回数のレポートを提出し、スクーリングにも参加すれば単位認定試験を受けることができ、合格すれば単位を取得することができます。
試験内容はほとんどレポートの範囲から出題する学校が多いようです。
通信制高校のメリット
通信制高校には様々な特徴があることがわかりました。
ここからはメリットについて話していきます。
公立と私立の通信制高校ではどのくらい違うのかについて詳しくまとめてある「 私立と公立の学費の違いを徹底解説します!」も参考にしてみましょう!
自由な時間が多い
全日制高校では、朝から夕方まで学校に滞在しなくてはいけません。
自由な時間が少ないため、生活サイクルの中心はどうしても学校の時間割中心になってしまします。
しかし、通信制は登校日が少ないので自分に合った時間で勉強することができます。
通信制高校に通いながら働いていたり、専門学校など他の学校に通っていたりする人も少なくありません。
自分のやりたいこと、目標が決まっており、高校生のうちからより専門的な学習をするために通信制高校を選択する人もいます。
また、金銭的な理由で進学をあきらめていた人にとっては、きながら勉強することができるので可能性も広がるでしょう。
通学のストレスから解放される!
通学に電車を使う場合、通学の時間帯は電車が混雑します。
週5日通学するので、通学時間そのものの負担だけではなく様々な負担があります。
朝起きられない人や不登校で悩んでおり学校に行くことに不安がある人などはより大きなメリットになるでしょう。
更に通信制高校から全日制高校に編入もできるため、まずは通信制高校で月に何回か登校して、学校に慣れるということもできます。
自分に合った学習スタイルを選ぶことができる
先ほども話したように、通信制高校は必要な74単位さえ取ってしまえば卒業することができます。
必修科目以外にも自分の気になる分野の科目を勉強することができたり、余った自由な時間で学びの場を設けたりすることができます。
また、登校のペースも選ぶことができ、登校が難しい場合には登校が年に8回程度の少ないコースで、部活動にも参加したいし友達にもたくさん会いたいという方は週3回のコースで、自分に合ったコースで勉強を進めていきましょう。
通信制高校のデメリット
通信制高校はメリットがたくさんありますが、反対にデメリットもあります。
自分で学習を進めなければならない
自由な時間が多い分、自分で計画をたてて学習を進めていかなければなりません。
全日制や定時制とは違い時間割が決まっていないので、先生が勉強時間を決めてくれるわけでも、今はこの勉強をしようなどと指示をくれるわけでもありません。
レポートも教科書を見ながらひとりで進めなくてはいけないので、わからないところがあっても周りに質問できる先生や友達がいないのですくに解決できないことが多いです。
そのため、自己管理能力と計画性が重要になってきます。
大学生でも単位制となりますし、社会に出る上で自己管理能力と計画性は必要なスキルとなりますので、身に着ける良い機会となるでしょう。
交流の機会が少ない
通信制高校は登校が少ないうえに、クラスなどもはっきりと決まっていないため、全日制や定時制と比べて先生やクラスメイトと一緒に過ごす時間が少なくなってしまいます。
しかし、その分本当に気の合う友達が見つけられるという点もあります。
登校する人数が少ない分、じっくりと関わることができます。
イメージが気になる
全日制とは異なり毎日通わないからどう思われているのかが気になる、全日制に通うことができなかったから通信制に通っていると思われるのではないかと気にされている方もいるかもしれません。
しかし、通信制高校は少子化の時代でも高校数や生徒数が年々増加しています。 それだけ需要があるということです。
生徒や保護者のニーズが多様化してきた現代においては、通信制高校という選択肢が当たり前になっていくでしょう。