不登校の人が通信制高校へ行くとどうなるの?進学するメリット・デメリットをご紹介

家庭的・肉体的・学校生活など様々な事情で、高校に通えなくなってしまうことは誰にでも考えられることではないでしょうか?
現在小~高までを合わせた不登校状態の生徒数は18万3000人にも上ると言われています。
これだけの学生が様々な事情で学校に通えていない状態です。
今回の記事はそんな方々に、通信制高校への編入・進学を視野に入れてもらいたく投稿しています。
「通信制高校はどんなところか」、「進学するメリット・デメリット」についてご紹介します。
不登校の人が通信制高校へ行くとどうなる?
不登校になってしまうと、将来の選択肢がとても少なくなってしまいます。
しかし誰でも環境の影響や個人の性格によって、不登校になってしまうかもしれませんよね。
不登校の人が通信制高校へ行くというのは、おすすめできる選択肢だといえます。
不登校になってしまう原因は、人それぞれですよね。
また通信制課程は、様々な状況の学生が在籍しているので、伸び伸びと高校卒業を目指すことができるのが魅力的なポイントです。
不登校の定義
不登校は文部科学省によると、以下のように定義されています。
「不登校とは連続または断続して年間30日以上欠席し、何らかの身体的、心理的、情緒的または社会的要因・背景により、児童生徒が登校しないあるいはしたくともできない状況である(ただし、病気や経済的な理由によるものを除く)」
簡単に要約すると、「何らかの事情を抱え、年間で30日以上学校を欠席している生徒」が不登校に該当することになりますね。
不登校で高校を卒業できないと将来苦労する
もしこのまま不登校で高校を卒業できないと、高確率で将来苦労をしてしまいます。
最低限の学歴がないだけで、仕事の待遇が悪くなったり就職先を見つけにくくなったりしてしまうのが現状。
もちろんすべての人に当てはまる訳ではないので、自分の適正にあった選択をすることが大事です。
また高校を卒業しておくことで、大学進学ができたり自分の興味のある分野に打ち込んだりと様々な道が広がります。
通信制高校を卒業=高卒
一般的なイメージですが、通信制高校は全日制高校と比べると劣っている印象がありますよね。
しかし通信制高校を卒業すれば、全日制高校と同じく高校の卒業資格を取得することができます。
さらに通信制高校に通うことで、自分のペースで学習を進めることができたり、自由時間を活用して趣味を楽しむことも。
また進学をしたくなったときには、問題なく進学を目指すこともできるので安心ですよね。
将来の可能性を広げるという点でも、不登校の人は通信制高校への進学を検討してみましょう。
全日制で勉強についていけなかった人でも、個々のレベルに合わせて学習を進めることも通信制高校ならできますよ。
不登校の原因は様々
「ある日突然学校に行けなくなってしまった」
「学校に行きたくない」
「学校に行く意味が分からない」
これらには必ず要因があるはずです。
要因は各々で違いますが、大半の人は下記の4つのいずれかに当てはまると思います。
原因1:いじめによる心理的負担
いじめは不登校になる要因で常に上位に入り、たいていの人が不登校になる理由を考えるときに、いじめが原因であると連想する人が多いのではないでしょうか?
学校内でのいじめが原因で登校することが億劫になってしまい、結果として欠席に至ってしまいます。
いじめに対する対策を万全にしている学校もあれば、いい加減な学校もあるでしょう。
そういった学校ではいじめが常態化してしまい、不登校になってしまう生徒が増えます。
原因2:学校に行く目的がない
学校に行く目的が分からず、学校に行く気力が湧いて来ず、不登校になってしまう生徒もいます。
無気力が原因で不登校になってしまう生徒もいるのが実態です。
学校での自分の居場所を見つけられないと、気力がなくなってしまいますよね。
次第に心理的に負担となってしまい、登校拒否に至ります。
原因3:学業不振
学校の授業内容が理解できず、勉強についていけず、不登校になってしまう生徒です。
小・中学時代は勉強が得意だった生徒も難関高校へ進学し、周囲と自分の学力にギャップを感じ、その劣等感から登校拒否に至ってしまいます。
原因4:家庭環境が悪い
家庭環境が大きく変化することにより、それが負担となり学校に行けない場合があります。
親子関係で問題が発生してしまったなどの原因で学校に行けなくなる生徒です。
学校自体に問題があるのではなく、家庭に問題があり通学できなくなる場合もあります。
不登校になると高校卒業資格を取得することができない
学校に行かなくなると、出席日数や学業成績の面で高校卒業が難しくなります。
不登校になると授業内容が理解できなくなり、友達との交流も少なくなり、関係が疎遠になって、ますます学校に行きづらくなる要因が増えますよね?
また、不登校が続いてしまうと、留年になり1学年下の生徒と同じクラスに振り分けられ、もう一年勉強することになります。
もともとコミュニケーションが得意な人ならば、問題ありませんが、苦手な人にとっては一つ下の学年の友達を一から作り直し、学校生活を送ることに抵抗のある学生もいるでしょう。
そういった生徒は中退を選んでしまう場合があります。
その結果として、「中卒」のまま社会に出て、働かなければならない状況がありますよね?
もちろん、中卒だから悪いといった考え方は良くないですが、就職できる選択肢は高校を卒業する場合に比べて、狭くなります。
通信制高校の定義と卒業要件
通信制高校とは、通信教育で学習する高校のことです。
卒業要件を満たせば、全日制高校や定時制高校と同様に高校卒業の資格を得ることができます。
卒業要件は単位制であり、受講する授業を自分で決め、レポートを作成、学校に提出することで単位を習得することができる制度ですね。
全日制との大きな違いは、「通学頻度の少なさ」と「学年生がない」ところです。
通信制高校へ行くメリットは5つ
全日制高校と違った点で、通信制高校に進学することにはメリットもあります。
通信制高校は通学制度や日数、費用が全日制高校と全く違います。
メリットは以下の5点です。
- 留年の心配がない
- 学費が安い
- 自制心を磨くことができる
- 自分のペースで学習を進めることができる
- 自分の個性を最大限伸ばせる
それでは詳細を確認していきましょう。
留年の心配がない
不登校で他の高校(全日制)へ編入すると、通常は1学年下になりますが、通信制高校は学年というものがないため、留年の心配がありません。
留年の心配がないと「学年が一つ下」の生徒と授業を受けているというギャップを感じることがないですよね?
学年を意識して交流することが少なくなるので、周囲になじめないという不登校の要因がなくなります。
学費が安い
通信制高校は学費が安いのが特徴です。
公立の通信制高校は年間の学費は3万円程度となっています。
私立の通信制高校の年間の学費の相場は25~40万円程度です。
私立の場合、就学支援金制度を利用することにより、年間8万円程度で進学できる場合もあります。
このようにとてもリーズナブルで時間調整がしやすいため、日中アルバイトしながら進学することも可能です。
気になった方は、県庁や市区役所の高校教育課に相談しましょう。
自制心を磨くことができる
通信制高校は自主性が問われます。
自分で受講する授業を決めて、決められた期限までに課題(レポート)を提出するので、必然的に自律心を磨くことができますよね?
「自分で計画を立て、計画に沿って課題に取り組み、課題を提出できた」といったような達成感も得られます。
また、自分のペースで勉強できるので「周りに合わせなくてよい点」がメリットと感じる生徒もいますよね?
「みんなについていけない」という心理的負担を抱えず、勉学に励むことができます。
自分のペースで学習を進めることができる
通信制高校に通えば、y毎日同じ時間に通学する必要はありません。
自分の時間を増やすことができるので、学業とプライベートを充実させることができたりと嬉しいことが多くあります。
たとえば、全日制高校に通っているときは、あまり時間がなくてできなかった趣味に打ち込むこともできますよね。
また家計を助けるためにアルバイトをすることもできますし、アスリートとして活躍している人でも無理なく高校卒業を目指すことが可能です。
年に数回のスクーリングと必要な単位数を取得すれば、問題なく卒業できます。
自分の個性を最大限伸ばせる
全日制高校でも個性を伸ばすことができますが、通信制高校に通うことで、さらに自分らしく学習を進めることができます。
多くの通信制高校では、個性を尊重したカリキュラムが完備されており、あらゆる状況の生徒が楽しく通えるよう配慮しているのが特徴。
また自宅学習がメインなので、ストレスなく学習に集中することもできるのが魅力的ですよね。
また公立の通信制高校よりも私立の通信制高校の方が、学習環境やサポートが充実しています。
通信制高校への進学を視野に入れている人は、私立の通信制高校を調べてみてはどうでしょうか。
通信制高校へ行くデメリットは3つ
全日制高校と違った通信制高校へ進学するデメリットもあります。
しかし、不登校で通っていないのであれば、当然通信制高校に編入した方がよいでしょう。
デメリットを確認して懸念となる点がないかをチェックしてください。
それでは、デメリットも確認していきましょう。
自主性がないと厳しい
通信制高校は良くも悪くも自分で取り組まなければなりません。
自分で計画を立てて、マイペースで勉学に励むことができる反面、全日制高校と異なり拘束力もないため、自主性がないと厳しいですよね。
自ら机に座り勉強をする習慣がない生徒にとっては、「自主的に勉強する」ことはとてもハードルの高い生徒もいるでしょう。
自己管理能力が低い学生にとっては、通信制高校に進学しても、卒業が難しいと感じますよね?
自主性がない人向けのサポート校などにも通うことで卒業できる方もいます。
人と交流する機会が少ない
たいていの通信制高校はクラス制度がないだけでなく、出席日数も月に数回程度であるため、コミュニケーションを必要とする機会が少なく、同年代の人ともコミュニケーションをとる機会が少なくなってしまいます。
社会に出たときに、コミュニケーション能力を必要としない職種はあまりなく、対人スキルは必須に近いスキルですよね?
そういった意味では、通信制高校ではコミュニケーション能力を培う貴重な機会を失うことになります。
3年で卒業できない場合がある
通信制高校に進学し、卒業するには授業を履修し、必要単位数を取得しなければなりません。
その必要単位数を取得できなければ、3年で卒業できなくなってしまいます。
1年あたり何単位とれば、卒業できるのかを把握し、計画的に単位を取得していかなければ、3年での卒業は難しいものと言えるでしょう。
よく通信制高校とサポート校を勘違いしている方もいるので、「どう違うの?通信制高校とサポート校の違いをご紹介」の内容も詳しく読んでおくことをおすすめします!
通信制高校へ進学するか迷った時は相談しよう
不登校の問題は、一人で抱える問題には大きいです。周りの身近な人に相談することをお勧めします。
親や学校の先生に対して、抵抗がない人は親や学校に相談しましょう。
彼らはあなたと長く過ごしてきた人物であり、最もあなたのことを理解してくれていますよね?
あなたの気持ちを聞いて、あなたの意見を尊重したうえで方針を決めることができます。
また、両親はあなたの倍ほど、人生経験が豊富です。その豊富な経験を通して、解決策を導いて、適切な対応をしてくれるでしょう。
学校に相談しよう
身近な担任の先生や学校のカウンセラー(スクールカウンセラー)に相談してみましょう。
学校のカウンセラーは、悩みを抱えている生徒が悩みを相談するためにいます。
こういったところでは、当たり前のようにあなたと同じを経験してきた生徒がいて、生徒がカウンセラーに相談して、どのように解決したのかも知ることができるのです。
学校で解決できる場合もあるので、相談してみましょう。
相談窓口に相談しよう
公的機関を利用してみましょう。
例えば、「ひきこもり地域支援センター」を利用することで、資格を持った専門家があなたの相談をしてくれます。
社会福祉士、精神保健福祉士、臨床心理士などの資格を持った人に相談できるので、もっとも適切なアドバイスをもらえると考えられます。
他にも公的相談窓口には以下のものがあるので、ご確認ください。
- 児童相談所
- 保健所
- 24時間子どもSOSダイヤル
- 子どもの人権110番
- ヤングテレホンコーナー
通信制高校の資料を見てみよう
悩んだら、情報収集をしてみましょう。
情報がないと、判断するための必要材料がそろっていない状況になり、適切な判断ができません。
情報を収集するために、通学範囲内の通信制高校の資料を請求しましょう。資料は一括で請求できるメディアもあるので、そういったサイトを利用し、取り揃えましょう。
資料が届いたら、どういったコースがあるのか?どれなら自分が無理なく卒業できるのか?といった視点でぜひご覧ください。
まとめ:通信制高校への進学も検討しよう
- 不登校なら通信制高校への編入も検討すべきである
- 通信制高校は学費も少額なので、金銭的負担も少ない
- 通信制高校ならアルバイトしながらでも、卒業できる
- 全日制高校で不登校でも、通信制高校なら続けることができる場合がある
- 困ったら、親や周りに相談しよう
- 迷ったら、通信制高校の資料請求しよう
全日制高校に通って、卒業するのが一般的ですが、全日制高校に通って卒業しなくても良いです。
今のあなたが抱えている問題・不満を加味した上で、どの手段が現実的かを相談してみてください。
現在、全日制高校に通っていて、欠席を数十回してしまっている方は、ぜひほかの通学・卒業手段を視野に入れてみてはいかがでしょうか?
まずはネットで情報を調べてみることから始めてみましょう。
社会人が高卒資格を取得するには、通信制高校を利用するのがおすすめです。